10月23日 社福協主催第30回 健康食品フォーラム 参加報告

2013-10-30

10月23日に東京 灘尾会館にて開催された第30回健康食品フォーラムに参加しました。

第30回の記念フォーラムということで、「健康食品フォーラム 10年間の総括と展望」とテーマが打たれ開催されました。今回で一区切りで、次回以降は、有料の講演会となりそうです。
会場は、ほぼ満席の状態で、いつもながらの大盛況でした。各講演を簡単にレポートします。

記念講演 「健康食品」に関する動きと課題
消費者庁長官 阿南 久

講演内容は、消費者庁としての健康食品に関する取組みの説明でした。

健康食品の表示・広告に対し、監視を続けており、健康増進法・景品表示法・特別商取引法違反の企業に対して、指導や行政命令を下している。昨年より、(PIO-NETの資料によると)健康食品の相談が倍増していて、その内容は、悪質な「健康食品の送りつけ商法」であり、今年に入ってからは、現金書留封筒を同封しての物まで出回っており、大きな問題となっている。

最近の話題としては、食品表示法の成立と、消費者教育推進法の成立の話がありました。

食品表示法に関しては、「一般消費者の自主的かつ合理的な食品選択の機会を確保するため」の法律であることが明記されたことが大事なところである。
食品表示基準は、これから制定されることになり、ここで細かい基準が決まってくる。
現在、表示に関して書かれているもの(基準等)が58あり、その統一とそれから新たに今回盛り込むものとの作業を続けている。その中の課題としては、
-中食・外食(アレルギー表示)、インターネット販売の取扱い
-遺伝子組み換え表示、添加物表示の取扱い
-加工食品の原料原産地表示の取扱い
-食品表示の文字のポイント数の拡大の検討
等がある。

消費者教育に関しては、今年度を消費者教育元年と定め、消費者市民社会の構築のために、様々な背策を実施していく。特に地方行政団体にどのように取り組んでいくのかということでお願いをしている。

規制改革実施計画の「健康食品等の機能性表示容認」に関しては、現在、関係諸官庁と協議をしているところで、まだ発表できることはない。消費者庁の基本的なスタンスとして
・安全性の確保の仕組みを構築する
・消費者の自主的・合理的選択を保証する。
・根拠のない表示や広告、悪質な販売方法に対する取り締まりを強化する
・バランスのとれた食生活が健康維持の基本であることの理解促進と、「健康食品」の安全な活用のための消費者教育・啓発、情報発信を強化する。
という立場を崩すつもりはなく、それを踏まえた上での機能性表示容認を各省庁と協議していくことになる。

講演1 「健康食品の安全性確保について」
厚生労働省 新開発食品保健対策室室長 西村 佳也

健康食品は、法令上の定義はない。健康食品については、健康被害もあり、それを報告するシステムはできているが、機能していないのが現状である。
健康食品の安全性確保に関しては、平成19年以降いくつかの検討班により検討し、提言をもらっている。それらの問題点は解決できているもの、そうでないもの等がある。

製造段階での安全性確保の観点からは、原料の安全性確保(新規原料に関しては、食経験や、毒性調査、場合により毒性試験を行うよう通知している)、製品の製造に関しては、GMPにて行うことを通知している。そしてこれらを上手く実行するように認証協議会、GMP認証団体と話し合いを持っているところである。

健康被害情報の収集に関しては、現在、厚生科学研究の梅垣班で、収集システムに関する検討を進めている。
消費者に対する情報提供に関しては、健康食品に関する知識が豊富であるアドバイザリースタッフの方々に手伝っていただきたいと思っている。関連団体の会合に厚労省として積極的に参加し、現場の意見を聞いていきたい。

消費者委員会の建議に関しては、8月に回答を提出している。
厚労省として、種々のリーフレット等を作って色々と情報提供をしているところである。

規制改革実施計画に関しては、各省庁と検討を鋭意進めている。厚労省としては、安全性については譲ることができないという立場で進めている。今年度中にまとめ、来年度施行に向けて進めている。

10月9日に注意喚起したOxy Elite Proに関しては、日本国内では流通していないものであったが、インターネツトで個人輸入出来るものであったために、注意喚起の通知を関係諸団体に出すととも、プレスリリースも出した。販売可能なサイトにも、販売しないように指示を出した(従来は国内に流通していないものについて、このような対応はしていない)。迅速な対応で、今のところ、本件に関する健康被害報告は上がっていない。

講演2 「医食農連携と農林漁業の成長産業化」
農林水産省 大臣官房審議官 櫻庭 英悦

日本の人口形態が大きく変わってきている。
人口は減少段階にあり、2050年には、1億人を下回ると言われている。一方高齢者の人口に占める割合は、増加傾向が続く。実際に秋田県では、15才以上65才未満の人口と65歳以上の人口が同数となっている。

また、世帯の構成を見ても、一人住まいが増えており、特に高齢者の一人住まいが増えてきている。高齢者の夫婦二人住まいも、高齢者一人住まいの予備軍である。

要介護者は、600万人いる。
本当に、食を考えないといけない事態となってきている。農水省としても、介護食の検討班作りを本格的に進めている。

一人暮らしの人に聞くと、ちゃんと食事をしていると答えるが、その理由は、「欲しくて食べるのではなく、「薬」を飲まないといけないので食べている」という答えが返ってくる。食事の本来の目的ではなくなってきてしまっている。

農水省としては、良い農産物を作る研究をしているが、今までのところ、国民にその成果を還元できていない。
医食農連携を深めて、研究を進めている。第6次産業の推進ということで、様々な分野の人の協力・連携により、成果を還元できるシステムを構築するように食料産業局を作り推し進めている。

講演3 「これからの食育を担う人材育成の課題と展望」
お茶の水女子大学大学院教授 藤原 葉子

講演内容は、教育現場で食育を担う栄養教諭制度現状と課題等について。

現状では、まだ各学校の採用数が少ないこと、特に、東京ではほとんど採用がない。またその栄養教諭も、資格のバックグランドが現状ではバラバラであり、レベルにも差がある。
また、実際に栄養教諭がどのようなことを行っていけばよいのかという課題もある。

後半、お茶の水女子大学での栄養教諭のための実践プログラムの取り組みと、大学院での高度専門家養成のための取り組みについて発表された。特に大学院での取り組みは、非常に関心を引くものであった。
問題は、せっかく、食育の高度専門家を大学院で養成しても、その人材はどこで活用されるかということである。今は、指導者(大学職員)になっているが、今後、企業等に就職したときにどんな活躍が出来るかということが課題となってくるとまとめておられました。

(A-Staff研究会)

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その後、info@advisory-staff.orgまで、メールをお寄せください。(件名:研修会報告についての意見)