社福協主催 第29回健康食品フォーラム 参加報告

2013-06-27

6月24日、東京 灘尾会館で開催された社福今日の健康食品フォーラム「健康食品に関わる新たな課題と取組み」を聴講したので、報告します。

第1題目は、消費者庁食品表示課 塩澤信良 氏より、「最近の食品表示行政について ~健康食品との関わりを中心に~」と題して、最近の健康食品にかかわる規制に関し話があった。
6月21日に、食品表示法が国会を通り近々公布される見込みであり、2年以内に加工食品の栄養表示が義務付けられることになる。また、6月14日に閣議決定された「いわゆる健康食品等の機能性表示の容認」に関しては、今後年度内に議論をスタートし、平成26年度にはシステムを作ることになる。

第2題目は、(独) 国立健康・栄養研究所 情報センター長 梅垣敬三先生から、「健康被害情報の収集による安全性の確保」と題して、厚労科研費の研究課題として取り組んでいる、健康食品の有害事象の収集と活用についてを中心に話があった。
健康食品の問題を考えるとき、一つは「健康食品による健康被害」、またもう一つ「健康食品による経済被害」ということもある。健康被害は、製品の問題(無承認医薬品や粗悪な製品)と利用者側の問題(過剰摂取、医薬品との相互作用等、利用方法の問題)がある。
健康被害の多くは、医薬品成分含有の物(無承認無許可医薬品)であるが、一般の健康食品でも、報告されている。ただし、それらは、胃腸障害等の軽微なものがほとんどである。
健康食品の健康被害を防ぐために行っているのは、各種情報の発信とアドバイザリースタッフを通して、一般消費者への情報の提供である。
また、健康被害を防ぐために、有害事象を集めて、それらを評価して情報を発信していく方法が良いと考えている。現在の有害事象報告は、ほとんどが、消費者センターによるものであり、医療関係者(専門家)によるものが少ない。
厚労科研費の検討課題として、有害事象の報告のシステムを検討している。医療機関からの情報を多くしてもらうこと、メーカーへも有害事象の報告のルール化や、有害事象が健康食品によるものかどうかを判断するうえで必要な聞き取り項目等も検討している。

研究報告(概要)
いわゆる健康食品による健康被害情報の因果関係解析法と報告手法に関する調査研究

いわゆる健康食品の安全性情報の収集及び伝達手法の開発に関する研究

 

第3題目は、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 食品機能研究領域長 山本万里先生より、「機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクトについて」 と題して報告があった。
平成24年度の補正予算として、「機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト」に20億円の予算が付き、3年の研究機関で推進していく。
このプロジェクトは、機能性を持つ農産物の開発(ex.消化が遅く血糖値が上がりにくい米)、機能性を高める加工技術の確立、機能を安定化する生産技術の確立、供給システムの開発まで含めた総合的な研究課題となっている。
プロジェクトの目的(出口)としては、機能性農産物・食品を開発し、国民に提供することと、データベースの構築と栄養指導システムの開発があり、最終的には、「美味しく食べて健康維持できる日本食を普及する」といことである。
講演の中で、現在研究されることが決まっている8つの農産物についても、個々に説明があった。

第4題目は女子栄養大学 栄養学部 生化学研究室 教授 山田和彦先生から、「日本の健康強調表示食品の課題 ~コーデックス規格の視点から~」と題して、コーデックスの話題を中心に、機能性食品のヘルスクレームをどのように考えていくべきかという話があった。
日本は、残念ながら、健康食品の法律上の定義はない。一般的には、健康に関する効果や食品の機能等を表示されて販売される食品であり、このうち、保健機能性食品を除いたものを「いわゆる健康食品」ということになるのだと思う。日本と海外の食品の健康強調表示をみると、表にまとめると大差ないように見えるが、かなり違うと思う。コーデックスにおいても、食品表示についてはカナダが部会長、栄養・特殊用途食品に関してはドイツが部会長となり、ずっと検討されてきている。すでに、健康表示の科学的根拠に関する勧告も出されており、具体的な科学的根拠の評価プロセスの提示及び科学的根拠のレベルに関する具体的な記述を各国に求めている。
また、一方で、協調表示の使用に関するガイドラインの中で、消費者への情報提供と、消費者への教育が必要であるとなっている。日本も、しっかりとしたスタンスで、対応していくことが必要である。

(報告者 千葉)

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